ライブレポート「SUPER COMPLEX」

にしな ZEPP TOUR 2024「SUPER COMPLEX」ライブレポート

全国5ヶ所6公演にわたる、にしなのZeppツアー「SUPER COMPLEX」。 その東京公演が11月26日(火)と27日(水)の2日間、Zepp DiverCityで開催された。 静と動、闇と光、内と外、コインの裏表のようなふたつの側面を象徴的に表現したようなライブは、 にしなというミュージシャンの世界をとても雄弁に物語っていたと思う。ここではその2日目、11月27日の公演をレポートする。

ライブ開演の様子

開演時刻、合成音声のアナウンスが本来化学用語である「スーパーコンプレックス」の説明を始める。 細胞内のミトコンドリア「細胞分裂を繰り返すように、どうぞご自由に歌い、踊り、焼き付けていってください」。 そんな言葉とともに、1曲目「plum」からライブはスタート。 ステージ上でにしなが手にしたグッズのリング(LEDが内蔵されている)が光を放ち、それに呼応してフロアでも無数の光が揺れる。

plumのパフォーマンス

にしなが「キラキラお星様を作っていきましょう」と呼びかけて始まった「bugs」でも、 オーディエンスの掲げた光がフロアを輝かせる。まさに「お星様」が一面に散りばめられたような美しさ。 そんな風景の中、にしなは時折「はい!」とマイクをそんなフロアに向けて歌声を求めながら、ソリッドなリズムに身を委ねていった。

bugsでの光の演出

エモーショナルに届けられた「夜になって」を終えて、「今回のツアーはちょっと薄暗めのステージを用意した」とにしな。 確かにここまで、ステージ上を照らすライトは抑えられていて、にしなの表情もほとんど見えない。 それは「人の目を気にせず楽しんでもらえたらな」という彼女の想いの表れ。

夜になっての演出

その後も、夜の空に円錐や立方体などのオブジェクトが漂うミステリアスな映像とともに披露された「debbie」、 たっぷりと間をとった弾き語りからアッパーなサウンドが溢れ出していく「透明な黒と鉄分のある赤」、 そしてアコギを提げたにしなによる歌が最小限のライトの中まっすぐにこちらの心に入り込んでくるような「ワンルーム」と、 にしながこれまで生み出してきた楽曲たちが次々と披露されていく。

debbieのパフォーマンス

ライブ後半では、「ここからはみんなのパワーを発揮してもらうパート」と語り、 「It’s a piece of cake」「ケダモノのフレンズ」など、観客との一体感を作り出す曲が続いた。 フロアに手拍子と「ラララ」の歌声が広がり、ライブの空気はガラリと変わっていった。

観客との一体感

「東京マーブル」ではドラム台に乗ってジャンプをしたり、「クランベリージャムをかけて」では 提げたぬいぐるみバッグから取り出したキャンディをフロアにばら撒いたり。 そのパフォーマンスは曲を重ねるごとにどんどん解放されていく。

東京マーブルでのアクション

アンコールでは「ダーリン」を丁寧に歌い上げたあと、最後は「ねこぜ」や「アイニコイ」で締め。 名残惜しそうにオーディエンスとコミュニケーションを取り続けるにしなの姿が、この日のライブの充実ぶりを物語っていた。

アンコールの様子

ライブ終了後、オーディエンスの拍手が鳴り止まない中、にしなは深く感謝を述べ、ツアーの幕を閉じた。

ツアーの幕引き

その余韻は、この先も長くファンの心に残り続けるだろう。

Reported by Tomohiro Ogawa
Photo by [DAY1]Yosuke Kamiyama / [DAY2]Tatsuki Nakata

にしな Zeppツアー 「SUPER COMPLEX」

11月10日(日)Zepp Sapporo
11月15日(金)Zepp Namba
11月17日(日)Zepp Fukuoka
11月26日(火)Zepp DiverCity
11月27日(水)Zepp DiverCity
11月29日(金)Zepp Nagoya

<SETLIST>
01. plum
02. bugs
03. FRIDAY KIDS CHINA TOWN
04. スローモーション
05. 夜になって
06. 真白
07. debbie
08. 透明な黒と鉄分のある赤
09. ワンルーム
10. ヘビースモーク
11. It’s a piece of cake
12. ケダモノのフレンズ
13. ランデブー
14. 東京マーブル
15. クランベリージャムをかけて
16. シュガースポット
17. わをん

アンコール
18. ダーリン
19. ねこぜ
20. アイニコイ

セットリストプレイリスト
https://nishina.lnk.to/SUPERCOMPLEX